センター政治経済

傾向

 さて、まずは客観的・一般的に言われる視点から、昨年度の2008年度のものを詳しく分析してみる。
2008年度の出題は、大問数が2007年度と同じく5問で、マーク数も同じく38問であり、各大問の問題数や配点も2007年度 と同じであった。60分の解答時間内で無理なく解答でき、見直しも十分に取れる分量である。出題の形式は、第1問が総 合問題で、他の問題もあるテーマに沿った事項を中心に、関連する事項を広く問う形の構成になっている。出題分野は、 「政治・経済総合問題」「国民による行政統制」「国家間の共存・協力関係」「戦後日本経済の対外関係」「非正社員の 増大と格差問題」の5つであった。分野別に見ると、政治分野が16問で経済分野が22問であり、2007年度と同じく経済分 野の比重がやや高くなっている。全体として、基本事項に関する出題が中心であり、通常の学習で対応できる内容となっ ている。平均点が6割付近であり、難易度に適切な傾斜を持たせたバランスのよい出題であった。
 これを踏まえて個人的な感想を少し。
 確かに教科書に書いてある範囲で対応できるものが多いが、政治分野に関しても経済分野に対しても時事問題が絡んで くる問題がそれなりにある。おそらく学校の定期テストなどでは教科書の内容を覚えれば大抵解けるようなテストであろ う(定期テストのレベルが低いというよりは、定期テストの目的自体が基本的事項の確認のためかと)。だが、実際のセン ター試験ではやたらと新しいことが出てくる。過去問を一度やってみるとわかるだろうが、定期試験とセンターではな かなかに問題の性質が違う。

対策

 まずは基本的事項を確実に押さえること、これに尽きる。
 もし学校で政治・経済を学習しているなら、その都度の定期テストで基本事項を確認していけば良いし、そうでない場 合は、何か参考書を一冊選び、2周くらいやるといいのではないか。
 だが、先述したようにセンター試験の問題は普段学習するものと性質が若干違うため、数多くのセンター過去問に取り 組むことを重要視したい。性質が違うことの他に重要なのが、センター試験では重要事項が繰り返し出題されているとい う事実である。10年分くらい解いてみると結構同じ問題があるものである。過去問を解いて繰り返し出題されている事項 をきちんと整理しておこう。 筆者の主観から言わせてもらえば、経済分野の問題は理解さえしてしまえば時事問題だろう と図形問題だろうと大して苦労はしなかった(経済学部だからなのか・・・)。やはり政治分野が一筋縄にはいかなかった。 過去問をやるたびに新しい事柄が登場し、その都度覚えていった。
 ここで気をつけていただきたいのが、政治・経済は歴史とは違って内容が変動するということである。2003年度の法律 では○○だったものが、2007年には改定されて××になっているなんてことはそれなりに良くあるケースである。だから、 センター過去問は是非とも最新の2008年度までやってもらいたい。ここまで記述すると予想が付くだろうが、個人的には 5,6年より昔の過去問をやるくらいなら各予備校のセンター模試の方をやった方が得策と考える。
 あとは、どこまで点数を取りたいかによる。僕は政治・経済に関しては、2次試験では使用しないため、80%を超えられ ればいいというような勉強をしていた。もし2次試験で使用するなら、90%は目指すべきであろう。

おすすめ参考書

・「センターに出る政治・経済用語&問題 1200」(Z会出版)
 取り敢えず利点を。
@2007年に出版された本なのでデータが新しい。
Aセンター試験を分析し、頻出の事柄を掲載している。
B用語集なのに、一問一答形式ではなく、2、3文の穴埋め形式となっていて、その文章自体がセンターの選択肢で見られた 言い回しを多用しており、文章自体に暗記の価値がある。/br> C持ち歩き可能なサイズであり、分厚くなく、内容が要領よくコンパクトにまとめてあり良い(なのにしっかりと図やデータ までも載っている)。
 これらの謳い文句はこの参考書自体に書かれているので詳しくはそちらを参照していただきたい。兎にも角にも、書店で 一度見ていただきたい。気に入っていただけたら幸いである。

・センター試験実践模試(Z会)
 書店で見かける緑色の本である。過去問とは違う。というか、Z会に限らず、河合・駿台・代ゼミのセンタープレ模試(マ ーク模試とも言うのか)で良い。利点は、言わずもがな、政治経済の時事問題に対応できるためである。

最後にひとこと

 個人的には(この言葉を多用してますね)90%を達成するのは困難だと感じます。80%の壁は努力により到達できますが 、そこから先は政治経済の「センス」なるものが存在するのかも・・・。とはいえ、一橋クラスは2次試験勝負なので、あま り力みすぎず、かといって舐めない程度にやりましょう。では、健闘を祈ります。

○この記事を書いたのは・・・
あいこ(経済・私立・男。受験に必要なものは「士気」)