センター地理
傾向
センター地理は自然環境、産業、都市、地誌、現代世界の課題、地域調査など地理学習の内容のほぼ全分野 を網羅する。センター地理の特徴として、地図や統計資料の読み取りを絡めた組み合わせ問題や文章選択問題が 出題の中心となっている。統計問題においては統計の読み取りだけで答えが導け、地理的な知識を必要としない 問題もある。またオーソドックスで基本的な知識を問う問題も近年増えてきている。
対策
センター地理においては難解な内容や語句を問う問題はほとんどないために、まずは基本的知識を定着させる
ことが第一だろう。その際単に知識を詰め込んでいくのではなく、「なぜそうなるのか」を理解した上で系統地
理の知識を体系化していくことが重要である。地誌に関しては系統地理の知識を実際の地域に応用したものに過
ぎないので、系統地理の知識を固めることが先決である。
系統・地誌の学習が終った後はセンター試験の過去問(追試含む)を最低5年分は解いて欲しい。センター試験で
は一見見たことのない内容を問うている問題に見えても、基本的な知識の応用で解ける問題がある。過去問の研
究を通して、自分の持っている知識を広範な事象に対して活用できるようにしておきたい。また、地形図やハイ
サーグラフなどの資料、統計の読み取りはセンター試験では頻出なので過去問を通して練習しておきたい。また
資料、統計の読み取りに際しては、その背景にある地理的事象を念頭に置きながら理解するとよい。過去問の研
究を一通り終え、まだ余裕があるなら予備校が出しているセンター試験対策用のマーク問題集で問題演習をすれ
ば知識の定着が図れると思う。
マーク式の問題を解く際の注意点だが、単に問題を解くだけではなく、誤っている選択肢をどう直せば正しい選
択肢となるのかを一つずつ吟味するようにして欲しい。そうすることで1度問題を解くだけで普通に解くよりも何
倍もの知識が得られる。
おすすめ参考書
・地図帳
地理学習者には必須のもの。どこの出版社の地図帳でもいいと思うが、個人的には帝国書院のものをおススメした
い。少しでも知らなかったり、場所に不安があったりする地名が出てきたらすぐに地図帳を開こう。地図帳を開い
た回数と地理の成績は比例するといっても過言ではない気がする。私が通っていた予備校の講師は「毎日10分間1
つテーマを決めて地図帳を眺めれば地理は伸びる」と言っていた。何気ない時間に地図帳を眺めてみてはどうだろ
うか。
・「データブック オブ・ザ・ワールド」(二宮書店)
これも地理学習者には必須といってよい。統計だけでも良いのだが、この本には後ろに各国要覧がついているのが
魅力的。地図帳と同様に、興味がある国やよく出題される国の各国要覧を少しずつ読んでいくことをおススメする
。統計を見る際には「オリーブの産地といえば地中海沿岸の国」といったように、項目と、それを判断する際にカ
ギとなる国をチェックするようにすればよいだろう。
・「山岡の地理B教室」(東進ブックス)
上記の地図帳、データブック オブ・ザ・ワールドに加えて副教材的な参考書があると便利だと思う。私の場合それ
がこの「山岡の地理B教室」だった。使いやすい参考書は人それぞれだと思うので、自分に合った参考書を見つけて
ほしいと思う。あくまで副教材的な1冊があれば便利だということ。この参考書にこだわる必要はない。副教材的に
使える参考書としては他に「地理合格講義!」や「権田地理B講義の実況中継」などがあるので、書店で参考書を手
に取ってみて、自分に合うかどうかを自分の目で確かめて欲しい。
最後にひとこと
地歴は暗記科目と思われがちですが、地理は決して暗記科目ではないです!もちろん最低限の暗記は必要ですが
、それは数学において公式を覚えなければならないことと同じようなもので、日本史や世界史と比べると暗記の量
はかなり少ないはずです。では地理の試験では何を求められているかといえば、それは地理的思考ができるかどう
かということです。これはセンター試験に限らず二次試験においても全く同じことが言えます。地理的思考とはつ
まり地理の基礎知識を論理的に如何に活用できるかということであり、数学において公式をどれだけ応用できるか
ということと似ています。だから地理の学習の際は知識の詰め込みではなく、何故そうなるのかということを常に
念頭において勉強してください。そうすれば地理はきっと伸びます。
最後まで決して諦めることなく頑張ってください。4月に一橋大学でお会いできることを楽しみにしています。
○この記事を書いたのは・・・
たつのり(経済・公立・男。受験に必要なものは「学力と精神力。とりわけ精神力が重要である」)