センター国語
傾向
解答時間は80分で、出題形式は評論文・小説文・古文・漢文の大問4題となっています。
2008年度は2007年度に比べやや短くなったものの、どの大問も長文化しており最大の敵は時間といえるでしょう。
問題を構成する代表的なものをあげると、
評論文:漢字・対比問題・段落ごとの要約問題・筆者の主張に関する内容一致問題
小説文:語句説明問題・心中描写問題・比喩表現の具体化問題
古文:単語の意味・助詞助動詞に関する問題・主語の確認問題・全文を通しての内容一致問題・
文学史・和歌の解釈問題
漢文:漢字の意味・訓読問題・内容一致問題・押韻・漢詩
などがあります。
難易度は上下し続けており予測は困難ですが、現代文に関しては文章中に必ず答えがあり満点を狙えるような問題と
なっています。センター国語の特徴として、200点という配点に対し問題数が少なく、1問あたりの配点がかなり大き
くなっていることがあげられます。
対策
「文章の解釈なんて人それぞれ」「国語なんて感覚だ」とよく言われますが、受験科目としての国語はそうでは
ありません。文章中に解答の根拠があり、誰がみても納得するように作られています。感覚は素晴らしい武器ですが、
現代文を感覚で解いているうちは点数の上下が激しく、安定して高得点を取れることはないでしょう。
<現代文について>
センター試験の問題はかなり特殊な問題で、予備校のマーク模試や、私立大学の国語の問題とはだいぶ選択肢の雰囲
気が異なっています。作成ミスが許されないというセンター試験特有の事情によるものでしょう。この違いは過去問
を解いているうちにわかってくると思いますが、まず間違いなく特殊な問題の作り方がされています。(実際センタ
ー試験の現代文のこつを理解できている人は、マーク模試で点が取れなくても、センターの過去問を解くとかなりの
確率で満点を取ります)。 そんな特殊なセンター試験の現代文ですが、どういった対策をすべきかと言えば、やは
り当然過去問を解くことがベストだといえるでしょう。本番のセンター試験にもっとも近い問題が、実際のセンター
試験の問題であるということは間違いないからです。それもただ解いて答え合わせするだけでなく、間違えたところ
や、正解したところでも迷ったところなどはしっかりと解説を読み、解答の根拠をしっかりと確認して、センター試
験の間違えさせ方というものを体で覚えることが大切です。センターの現代文が苦手な人はセンター国語の現代文の
過去問を20年分本試験・追試験を全て解くことをオススメします。解答番号が“光る”ようになるまで頑張りましょ
う。僕の個人的な手法ですが、問題を解く前に確認しながらやるのは当然として、本文の上に段落ごとに一言程度で
要約を書いていくと最後の内容一致問題のときの本文確認に取られる時間が省略でき、また2次国語の要約の練習に
もなります。論理展開を大雑把に把握できることもあり、この手法はかなりオススメです。
<古文>
一橋大学を第一志望にしている人は、おそらくあまり重視していないでしょう。センターの古文は対策どうこうでど
うにかなるものではありません。本質的な理解を求める問題が多く、純粋な古文の勉強をしていくことが一番の近道
でしょう。センターに出るのは基本事項・基本単語なのでそれほど時間はかからないはずです。2次でも古文・擬古
文・現古融合文が出題されるので、それも意識しながら勉強していくといいでしょう。また、2008年度は文学史に関
しての問題が出題されましたが、これは極稀なことでありあまり意識しなくてもいいかもしれません。基本的な学習
を終えたら、出題形式に慣れていきましょう。テクニック的なものになってしまいますが、「〜適切でないものをひと
つ選べ。」などの問題に本文を読む前に目を通し、全体の流れや結末、登場人物を掴んでおくといいでしょう。結末は
分からなくても、少なくとも登場人物の数くらいは分かるはずです。これは主語を掴むことが大事な古文では重要な
ことです。
<漢文>
例年漢文は短時間で満点が取りやすくなっています。センター特有の出題形式もあるので、形式慣れによって時間を
削ることは十分に可能です。問題文から登場人物の確認や、『不適切なものを選べ』という問題から話の大筋を掴む
とより満点に近付くことができます。
<解答の順序>
僕は評論→漢文→古文→小説で解いていました。自信のある順番です。小説を最後に回したのは、短い時間でやって
もあまり低い得点にはならないので時間調節に使うためです。参考までに。自分なりにやりやすい順番を見つけると
いいでしょう。
おすすめ参考書
・「過去問―国語」(河合出版)
河合塾でだしている黒いものがおすすめです。解答の根拠が他に比べてかなり明確なので、やればやるほど力が付
きます。
・「得点奪取―現代文」(河合出版)
記述式の問題集兼参考書ですが、これによって論理展開の整理の仕方などのコツをつかむことができます。センタ
ー・2次ともに役に立つ参考書です。
・「コゴタロウシリーズ」(河合出版)
単語帳です。問題もついている上に、古文の考え方・解き方も整理されているので、多少重いものの、やればそれ
なりに役に立ちます。
・「マドンナ古文―超基礎」(学研)
有名なだけあって、古文が苦手な人の入門書としては大変分かりやすい参考書です。
・「漢文早覚え速答法」(学習研究社)
言わずも知れた超名著。この参考書のコストパフォーマンスははかり知れません。漢文で高得点を狙うなら、やら
ないとかなり損です。
・「漢文ヤマのヤマ」(学習研究社)
正攻法でいくならこの参考書でしょう。ただ、時間がかかるのでそこまで必要性は感じません。
古文・漢文は本質的な力を問われますが、センター現代文は過去問をやりこめば解答が光り満点が狙えます。それぞれに
合った方法で十分に対策し、高得点を目指して頑張ってください。
最後にひとこと
センター国語にミスはつきものです。本番の緊張によって冷静な判断力を失っていれば大きく点数を落としてしま
うこともあります。そんなときは自分を責めるのではなく、切り替えて2次逆転へ向けて勉強しましょう。国語は仕方
ない仕方ない。
○この記事を書いたのは・・・
広報ちーふ(公立高出身・二浪・男。受験に必要なものは「愛と正義」。)