センター英語

傾向

 大問の数に変化はなかったものの、出題形式に関しては、2007年度の小さな変化に引き続いて2008年度でも大 きく変化しました。
1・発音アクセント
2・文法語法
3・意味類推・要約短文〜中文
4・図表問題
5・中文を読んで問題の絵の中から正解を選ぶ問題
6・長文読解
問われる能力はさほど変わっていないのですが、大問5・6の変化は昨年の受験生を驚かせました。
・リスニング
 大問は以下の4題で、年々英文の読まれるスピードが早くなってきています。
第一問・・・会話文を聞いてイラストを選ぶ問題
第二問・・・会話文を聞いて応答分として適切なものを選ぶ問題
第三問・・・@会話文を聞いてその内容に合う選択肢を選ぶ問題・A会話文を聞いて絵の中から適切な選択肢を選ぶ問 題
第四問・・・@それぞれ短文を聞いて、その内容に合う選択肢を選ぶ問題・A長文を聞いて、その内容に合う選択肢を 選ぶ問題

対策

 今年大きく傾向の変わったセンター英語ですが、今までと共通の問題もあります。それぞれの対策についてみ ていきましょう。
○過去問の解き方
 一年分を一気に解くのではなく、目標解答時間を決めて大門ごとに数年分ずつ解いていくようにするといいでし ょう。センター英語は時間が余りがちなため、解いているうちにだれてしまうことが多いのですが、こうすること でできるだけ早く問いて時間内に何度も見直す癖がつきます。ここ1〜2年分のものだけは、本番の練習用に一年 分一気に解いてみてもいいかもしれません。

○発音アクセント
 発音問題で出る接頭辞・接尾辞は実はだいたい決まっています。ですから赤本に載っている限りの発音問題を繰 り返し解いてみましょう。発音アクセント問題は今までにさまざまなパターンで出題されているので、それを解い ておけば今後また出題パターンが変化したときにも焦らずに対応できるでしょう。併願の私大でも発音問題が出る という人はそちらも少し解いてみてもいいかもしれません。

○文法語法
 文法というカテゴリーでは一橋の二次試験英語で出題されませんが、英作文を書くときにおのずと文法の知識は 要求されます。文法が苦手、という人はこの機会に是非勉強しましょう。発音ともかぶるのですが、文法問題も問 われるポイントというのはだいたい決まっています。ですからこれも過去問を解くのが一番です。
 過去問を解く際のポイントは、以下の二つ。
@苦手分野などを気にせずとにかく2〜3年分を一気に解く。
A不正解のところをなぜ間違えたのかを、解説や参考書を見ながら確認・理解する
この作業を繰り返してください。繰り返し理解しようとすることで、ちゃんと知識が身につきます。しかし もっと文法の知識を完璧にして英作文を書くときに困らないようにするためには、ボリュームのある参考書を一冊 仕上げるのがおすすめです。ここについては「おすすめ参考書」を参照してください。
 センター英語の文法でよく出題されるポイントとして代表的なものをあげると…
・似た意味だが、厳密には異なるものから選ばせる。(as far asとas long asなど)
・名詞をを形容詞化したものの中から、その文で正しいものを選ばせる。(economicとeconomicalなど)
・慣用句
・時制(仮定法にも絡んでくるものも含む)
・イディオム

などなど。分からないところはこまめに見直すようにしましょう。

<会話文問題について>
 ここがどうしても苦手という場合には、センターリスニングの第二問(つまりは会話文)の音声をすべての年数や りましょう。「英語の会話の流れ」というものに慣れることができます。
<並び替え問題について>
 ポイントはまず選択肢の中から動詞となる部分を探すことです。センター英語の並び替え問題では主節と従属節 を見分ける問題がよく出題されるからです。その文の中で述部にあった主部を見つけてください。

○意味類推・要約中文〜短文
 ここも2008年に大きく傾向が変わった大問です。 小問が全部で三つありますが、どの問題にも共通していることは、まず最初に問題文を読んでから次に設問を読む こと。つまり順序どおりに読むことです。どの問題も文が短いので記憶が新鮮なうちに解いてしまいましょう。

○図表問題
 今年は数値を問う問題と広告の中から必要な情報を読み取らせる問題で構成されていました。そのどちらにも共 通して言えることなのですが、まずは設問を読みましょう。そうすることで問題文の中から必要な情報だけを読み 取り、効率的に解答できるからです。とくに広告の問題では読む必要のない部分がたくさんあるので、最初から問 題文を読み始めるととても時間がかかってしまいます。

○中文を読んで絵の中から正解を選ぶ問題
 2008年に出題された問題を例に対策を説明します。
・表現がイラストと合致しているかいちいち確かめながら、上から選択肢の文を読んでいきましょう。選択肢の文 で少しでもイラストと違うところがあったらその部分に下線を引くなどして、見直ししやすくしましょう。いちい ちチェックしながら読むのが大切です。また、もし一番最初の選択肢が正解だと思えてもすべての選択肢に目を通 すようにしましょう。これは、より適切な選択肢があるかもしれないからです。
・設問の中には二つの記述が存在しています。すなわち
@全部の選択肢に共通する記述。(たとえば最初の文)
A正解の選択肢と不正解の選択肢とで異なる記述
です。Aの記述が出てくるたびに下のイラストを見て、合わないものを消していきましょう。 そうすることで最後のポイントを読む頃には自然と選択肢が絞れてこれてきているはずです。
・4コマ漫画です。まず最初に四コマ漫画を読みましょう。選択肢はその次に読みます。選 択肢は四つの文から成り立っており、それぞれが一コマの内容を表しています。順に読んでいって「これは違うな」 と思ったら消していきましょう。
 これらの設問は新しいものであり、まだ対策がしっかり確立されていません。 大手予備校などから出版されている予想問題集を使って対策をするのがいいかもしれません。

○長文読解
 おすすめの解き方を紹介します。まずは最初に設問文全体を軽く見てから、
@設問文を最初の2〜3つ読む。
Aその設問が解ける場所まで問題文を読み、解答する。
B次の設問文を読む。
を繰り返します。センター英語は基本的には設問が問題文の順序で出題されるので、この順番で解くと解答しやす いのです。ただし、2008年度のセンターでは段落内容でグループ分けさせる問題が出題されました。これは問題文 の読み始めから意識していないと解答しにくい問題です。そういうわけで、上にも書きましたがまずは最初に設問 全体を軽く見ることが重要となります。
 何度も見直して満点をより確実なものにしましょう!

○リスニング
 まずは耳を英語に慣らすことが重要です。携帯用音楽プレーヤーで通学中に繰り返し聴くなどしましょう。二次 のリスニング対策も兼ねてディクテーションなどもしていくといいでしょう。毎日聴き続けることが大事です。
解き方のコツは
第一問・・・問題文が流れている間はそれに集中し、聞きながら不適当な選択肢を外していく。二 回目に音声が流れる時にその選択が正しかったかどうかを確認する。余裕があるなら第三問・第四問の選択肢に目 を通していく。
第二問・第三問@・・・一回目に問題分が流れた時に、正解の目星をだいたいつけておき、二回目 でそれが正しいかどうか確認する。
第三問A・第四問・・・時間に余裕があれば問題文が読まれる前に設問を読んでおき、聞くべきポ イントをだいたいつかむ。そして一回目で正解の目星をつけ、二回目で合っているか確認するようにする。
 センター英語に限ったリスニングの対策ですが、過去問を解けば十分でしょう。やり直しのきかない試験なので 集中力を持続させることが大事です。一年分を通して解くようにしてください。

おすすめ参考書

・「過去問」
 過去問の利点については対策で述べたとおりです。余裕のある限り、文法問題・発音問題に関しては繰り返し解 くのがおすすめです☆

・予想問題集またはセンター模試の過去問
 今年大きく傾向が変わったので、新傾向の問題の対策は各予備校などが予想した問題を解いてみるのがよいでし ょう。

・「NEXTSTAGE」(桐原書店)
 問題集。文法問題をきちんと理解できているか調べるためには実際に解いてみるのが一番!!イディオムも覚え られます。

・「総合英語FOREST」(桐原書店)
 問題集ではなく、参考書。文法についての説明が詳しく、かつ分かりやすく書かれています。問題を解いた都度 読み返すといいでしょう。英作文を書くときにもおすすめ。
※ただし、秋冬の時期から分厚い問題集に新しく手を出すのは、あまり得策ではありません。使い慣れたものがあ る場合にはそちらを使い込むようにしてください。文法・語法は繰り返し学習することが大切です。

最後にひとこと

 一橋を目指す英語力のある人なら、センター英語の対策なんて必要ないよ、と思っているかもしれません。し かし、きちんと対策していれば英語はほんとに高得点を狙えます!!勉強時間の間の気分転換でもいいので、対策 した方がいいですよ!!

○この記事を書いたのは…
やぎ(商・公立・女。受験に必要なものは「心身のバランス」)