一橋数学

傾向

 一橋の数学は記述式の大問5つを120分で解くもので、試験では短い時間の中でいかに正確に解答を組み立てていくかが求めら れます。
 整数問題と確率は毎年出題され、難問ぞろいであるため、しっかりとした対策を必要とします。他の分野は満遍なく出題されます が、微分積分やベクトルが比較的頻出です。整数問題は全てに通じる解法が存在せず、苦手とする人も多いと思いますが、その分他 の受験生と差をつけるチャンスと成り得るでしょう。多くの問題に触れ、ある程度のパターンを身に着ければ、かなり有利に働くは ずです。確率はn回目といった一般化された問題がほとんどで、出題内容を正確に理解する能力が必要とされます。これも実際に問 題を解き、場合分けのミスなどをなくすようにしていくと良いでしょう。微分積分は標準的な問題が多く、一般的な解法にしっかり 慣れれば太刀打ちできると思われます。ベクトルは図形との複合問題になっていることが多いため、基本的な図形の定理等は押さえ ておく必要があります。また、解答欄が思いの他小さいので、なるべく簡潔に必要なことを書く訓練をするといいでしょう。一橋は 数学0完での合格者が意外といることから、部分点を多く取っていることが予想されます。手がつけられないと思っても、とにかく 分かるところまで書く習慣をつけましょう。

対策

〈数学が苦手な人>
 まず、自分がどの単元を苦手としているかを把握しましょう。模試の成績表で点を落としている部分をみて、解法が間違っていた のか、計算ミスなのかを確認し、解法を間違えていたことの多い単元を参考書で集中的に学習し直すことをお勧めします。時間があ れば、その単元に関わる定理や代表的な解法を整理して書き出してみると良いでしょう。一橋は頻度の差はあれ、全ての範囲が出題 されるため、どの分野が出てもきちんと食いついていけるようにしましょう。

〈数学が得意な人〉
 数学に触れ続けるようにしてください。他に苦手な科目がある場合、そちらを優先して数学は一休み、としてしまうことがありま すが、それは非常に危険です。数学はしばらく解いていないとびっくりするほど解き方を忘れてしまうものです。
 また、最後の仕上げとしてはやはり過去問を解くことでしょう。一橋の出題形式に慣れ、時間配分を把握し、本番に備えていって ください。

〈過去問の活用〉
 おそらく今年度受験する人はもう過去問に取り掛かっているでしょう。過去問の使い方は人それぞれですが、参考として筆者が利 用した方法を紹介します。
 はじめのうちは大問1問ごとに解いていきました。大問1問を30分程度の制限時間をつけて、時間がきたら解けていなくても止めて 答えを見るようにしていました。正解した場合は、模範解答と自分のを比べて、書き忘れがないかをチェックし、不正解の場合はど こでつまずいたのかを確認し、その日のうちにもう一度解き直しました。
 センター後は試験通り2時間で5問解くようにし、各問題や見直しの時間配分を考えて解くようにしました。実際の試験と同じ時間 にやると良いと聞いて試してみましたが、効果があったのかはわかりません。

おすすめ参考書

・過去問
とにかく過去問に勝る参考書はありません。予備校や学校で20年分位保存していることがあるので、それを解き、答えを見てどの段 階まで自分が理解出来ているのか、完璧な解答にするためには何が足りなかったのかを考察しましょう。

・「文系数学の良問プラチカ」(河合出版)
難関大を受ける人向けの良問揃いで、解説も非常に細かいです。また、問題数がそんなに多くないので、割合早く全分野を網羅する ことができます。基本がある程度身につき、過去問に手を出すには早いと言う人にお勧めの参考書です。

最後にひとこと

 数学はできる人はできる、できない人はできない、と考えがちですが、数学が苦手な人でも自分が苦手とするポイントをしっかり と把握し、それを潰していく努力を重ねれば、必ず伸びていきます。残りの時間を出来る限り有効に使い、本番に備えてください。 そして本番は、解けなくても冷静に、解けても気を抜かず、を心がけてください。

○この記事を書いたのは…
えも(経済・私立・女。受験に必要なものは「焦りすぎず、緩みすぎない心のバランス」)