一橋世界史

傾向

 一橋大学の世界史は論述形式の大問3題で構成されており、
 @中世〜近代のヨーロッパ
 A近代〜現代にかけてのヨーロッパ・アメリカ
 B近現代アジア
という構成が定番です。近年では単語を書かせる例もありましたが、全部で1200字の論述を二時間で仕上げるというのが基本形で す。また、難問・奇問が出ることでも有名です。近年での有名な例としては2005年度の@でしょう。もちろん普通に勉強してれば ちゃんととれる問題も出題されていますし、2008年度の入試はまさにそれでした。@の範囲を出題してくる大学は多くはなく、一 橋ならではの特徴といえるでしょう。Aはなぜかイギリス史が出題されることは殆どなく、フランス・ドイツ・アメリカが頻出範 囲です。。Bのアジア史は難問奇問が出題されることが他の二題よりも比較的少なく、アジアの様々な国の歴史が出題されていま す。

対策

<通史について>
 とにかく通史を終わらせていない人はなるべく早く終わらせることが先決です。秋冬になるとそろそろ論述対策しなきゃとあせ ってくると思うのですが、通史がちゃんとできていないとセンター試験が危ないです。それに一橋以外の大学を受ける方も多いと 思うのですが、通史を終わらせとかないと私大対策も満足にできないでしょう。では「通史を終わらせる」とは具体的にどういうこ となのか。論述対策もしなければならないので、「流れを把握する」ことが大切です。私がやっていたのは真っ白な紙に「中世ヨー ロッパの危機の時代の因果関係と教皇権の盛衰」とかテーマを決めて何も見ないで鉛筆で書き出し、後で教科書を見て足りないと ころを色ペンで書きくわえてました。一橋で出題される範囲に関しては用語集とかも見て細かく書き、センターでしか出ないであ ろうと思われる範囲では教科書は軽くやっていました。論述は週に一題だけ解くとか自分でペースを決めて定期的に取り組むとい いでしょう。

<論述について>
論述の練習をする際の注意点をあげると
@書き始めは何も見ないで、書くべき内容をメモ形式で簡単に書き出す。
A赤本や青本、大手予備校(HPに数年分が掲載されている)などいろんな解答を見比べてみる。
Bその上で第三者に添削してもらう。
 最初のうちは教科書を見てもいいと思いますが、最終的には何も見ないで仕上げられるようにしてください。@を行うのは本番 のシュミレーションのためです。本番では何も見ることができないのですから、その状態に自分を慣らすことは大事です。また自 分が今の時点でどれくらい世界史ができているのかを把握するためにも大事な作業です。Aは模範解答といっても各発行元によっ て答えが大きくことなるからです。Bは自分だけで模範解答を見てやっていると、問題の要求していることとずれた記述をしてい るのに気付かないかもしれないからです。
 難問・奇問をちゃんと解ける人なんてほとんどいないので差はつきませんが、普通に勉強してれば点がとれる問題もちゃんと出 ています。そこで落としてしまうとかなり痛いです。そういうところをちゃんと解けるようにしましょう。また、指定された語句 が全く分からない場合でも間違った記述を書くことだけはしないようにしましょう。明らかに減点対象となってしまうからです。 確実な知識で400字を埋められるのが理想です。
 一橋模試は必ず復習するようにしてください。各予備校が一橋の傾向を念入りに研究して、今年出そうなところを出題している からです。受けた直後に一回・帰ってきてから一回・センター後にもう一回の少なくとも計三回はできるようにしましょう。ちな みに某大手予備校の一橋模試や直前講習の問題が本番で複数的中したことがあります。

おすすめ参考書

・「判る!解ける!書ける! 世界史論術」(河合出版)
 論述対策。論述対策の参考書って数があまりないのですが、この本は河合塾の世界史教師が「世界史論述に本当に使える参考書 を作ろう」という目標のもとに数年かけて、昨年やっと完成させた参考書だそうです。これは本当に役立ちました。一橋で出そう な部分を集中的に解くとよいでしょう。ちなみに最後のページに郵送すれば添削してもらえる問題が数題載っています。

・「詳説世界史」(山川出版)
 教科書です。なぜ教科書が大事かというと、いくら一橋といえども、基本的に教科書に関連した内容からしか出題できないから です。教科書の内容をマスターできれば合格点は取れるはずです。繰り返し、繰り返し使ってください。

・過去問
予備校や学校に本屋さんでもう売っていないような古いものまでおいてあることがあります 。全部解くことはできなくても、解答を読むだけで力になります。

最後にひとこと

 秋冬にかけては一橋模試のせいで落ち込みやすい時期だと思います。特に世界史などの地歴科目は全然解けなくてショック という人も多いのではないでしょうか。でもこの時期からでも世界史はまだまだ伸びる科目だと私は思っています。現役、浪人問 わず、です。自分に足りていないことは何なのか、最後まで頭を使ってちゃんと勉強すればまだまだ伸びます!あきらめずに頑張ってくださいね!!

○この記事を書いたのは・・・
やぎ(商・公立・女。受験に必要なものは「心身のバランス」。)